「Baby Orgente」をつくるために、

まずは、今まさに子育てしている日本のお母さんに200人以上にアンケートや聞き込み調査をしました。
離乳食に対する不満や不安をたくさん聞いてまわりました。
そして、どんな離乳食があったらよいかも聞き、その上で、最先端を行く食品メーカーとして、お母さん達が想像している半歩先の商品を創る事を決めたのです。

そこからが大変でした。

カタチ(包材)は特に苦労したのです。
ビンは高級感や食べさすさがある反面、重い上に割れたら大変だし、洗って捨てるという面倒がかかる。
かといってアルミ袋の持ち運びは便利である反面、食べさせにくく、開封してしまったら食べきらないと再封をすることが出来ないという不便がある。

そこで色々考えた結果、スパウト付きパウチ(=Baby Orgenteの包材)を思いつきました。

思いついたまでは良かったのですが、離乳食に適したこのような包材は、日本に一切無かったのです。
ありとあらゆる手段を使って、日本中のスパウト付き包材を取り寄せました。

そして、その全社と直接話し、調査を深堀していきました。
ただ、日本全国探しまわったのですが、それでも見つからなかったのです。

世の中にあるスパウト付きパウチは、熱に弱く、
湯煎(90℃以上)などしようものなら、スパウト(口の部分)のプラスティックが溶けて変形したり、溶剤が溶け出してしまいます。

だから、その変に溢れているスパウト付きパウチでは、安全面どころか品質面で商品化出来ないのです。

この包材を実現するのに残された方法は、ただ一つ。
「特注で作る」という道のみとなっていたのです。

ただ、特注で作るとなると大量の資金が必要であった。
メーカーから10万パックと言われたこともあった。

大手食品メーカーであれば簡単に乗り越えられる事であるが、ビーンズには重たすぎました。
正直売れるか売れないか分からない全く予想できないモノにかけられる金額ではないのです。

離乳食をあきらめようかと、心が折れそうな日々が何日も続きました。
冗談抜きで、スパウト付きパウチが毎日夢に出てきました。
今でこそ笑い話となりましたが、なぜかスパウト付きパウチに吸い取られたり押し潰されるような夢でした(笑)

途方に暮れていたときに、
一度は問合せして条件が合わなかったスパウト付きメーカーに直接訪問してお願いしてみようと飛び込み営業当然の状態でほぼ突撃的に訪問しました。

そこで、なぜ起業したのかといった事や、
どんな想いで「Baby Orgente」を作りたいのかという事を話した。
話したというよりぶちまけました。

これが、たまたま、このメーカーさんの心に刺さったようです(と思っています)。
field
道が開けた瞬間でした。
とても心ある迅速な対応をしていただき、製造契約できることとなったのです。

これによって、全力でこだわり抜いたスパウト付きパウチを開発することが可能となりました。

商品にアルミが直接接触しないように、袋部分には何層にもコーディングした「特殊袋」を作りました。
もちろんスパウト(口の部分)は、熱湯(130℃にも耐えれる)に耐えれる「特殊スパウト」にしました。
正直申し上げまして、これらの特殊素材がとてもとても高価なのです。

商品を見ていただければ分かるのですが、アルミ袋部分の上部に、透明のビニールのようなものが少しだけ見える。
これが何層にもしてある特殊袋の秘密の一部なのです。

パウチの話しで長くなってしまったが、もちろん中身にも困難がありました。

お母さんの話しを聞いていると、「シンプルで分かりやすく安心出来るような離乳食がいい」という声を多く聞きました。

それに対し、世の中にあるのは「野菜がたくさん何種類も入った離乳食」が主流。
矛盾している。。。

正直、どんな素材を入れればいいのか、何種類の素材を入れればよいのか、さっぱり分からなかったです。
これも悩みましたし、試作を何回も行い、実際に赤ちゃんとお母さんに何度も試食してもらっております。

そこで出てくる意見は、とても参考になりました。

その一つに「月齢」の考え方がございます。
今の日本の常識として「月齢○ヶ月」というくくりで離乳食があるため、試食やアンケートでは、5ヶ月〜15ヶ月の赤ちゃんに食べてもらいました。
これは、我々が驚いたのですが、月齢に関係なく美味しそうに食べてくれたのです(しかも例外無く)。

そして、更に驚いたのが、赤ちゃん以上にお母さんが喜んでくださりました。
「いつも食べないのに、食べてくれたーー」と。
中には感動して涙を見せるお母さんもいらっしゃいました。

調査を進めていくと、我々の前に見えて来たのは “農薬” の2文字が浮かんできました。

農薬が必要か不要かという議論はさておき、一般的なスーパーで販売している野菜は食べないのに、無農薬有機のBaby Orgente は喜んで食べてもらえた事実がございます。

医師にお聞きしたところ、赤ちゃんは特に嗅覚が鋭いため、食べる前(口に離乳食を運んだ時点)に食べたくないと思って「いやだ」となるようです。

また、特に日本人の身体には「だし」が合っているとのことも聞き込みをしている中で多く聞かれました。
ここはプロジェクトリーダーの長谷川が会社員時代に得た知識が役に立ちました。

日本でおじやを大量生産する場合、鰹節や昆布は、どうしても工業的に一次加工した濃縮エキスやパウダーを使って作るのが一般的なのです。

逆に我々のような中小企業は、大量生産はできないので、素材にとことんまでこだわることが出来ます。
大手企業のコストには、とてもとても太刀打ちはできないので、残された役割に全力投球するのみだと思っております。
だからこそ、鰹節と昆布の「手仕込みだし」にこだわっております。

soico

しかも、ふるき良き日本の味を一番良く知っている人につくってもらいたかったので、プロの味付けではなく、ホッコリするようなあたたかい一般のお母さんの味付けを採用しました。

我が子の事を考えて作った味、作り方にしました。
もちろん、栄養士のアドバイスも聞きながら作り上げました。

やっと、これで全て揃ったのです。

ポイントは、
無添加・無農薬有機野菜・手仕込み天然だし・シンプルな素材・わかりやすい内容・安心出来るパウチ。

これで Baby Orgente ができあがったのです。

soico